当院で検査は、すぐ結果がでる即日検査と、後日結果がでる検査の外注検査を行えます。
検査内容につきましては以下の通りです。
すぐ結果が出る、即日検査
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聴力検査
聴力の評価を行うのに最も重要な検査です。通常は125Hzから8000Hzの高さの音を計測します。ヘッドフォンを当てて、その状態で耳から音をいれて、聞こえたところでボタンを押してもらいます。それによって、どの音の高さでどの程度大きさが聞こえているかがわかります。難聴があるかどうかがわかります。また、聴力検査には直接耳から聞いた音の反応をみる検査(気導検査)と骨に当てて、聞こえの神経の働きをみる検査(骨導検査)があり、それらの結果によって音を伝えるどの部分に問題があって難聴のなっているかがわかります。
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重心動揺計検査
めまいの原因が耳からなのか他の原因なのかを調べる検査です。台の上に立つことで、そのふらつきの方向や速度、動きの度合いをコンピューターで解析することで内耳からくるめまいであるのかべつの原因であるのかといったことを推測することが可能です。
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レントゲン検査
胸のレントゲンなどと同じように、放射線を当てる事で、顔やのどなどの内部の状態を間接的に観察するための検査です。副鼻腔炎の時にお顔のレントゲンを撮影したり、のどやアデノイドの確認のために撮影したりします。
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内視鏡検査
約3mmの細い管を、鼻や口からいれて、のどの奥やははの裏側などをよく観察するための機械です。内視鏡で観察することで映像を拡大したり画像として記録することができるので、詳しい観察や時系列での評価も可能です。また、特殊な光を当てることにより血管の走行などを確認することで、悪性腫瘍の可能性についてもある程度推測することが可能です。
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DPOAE(Distortion Product Otoacoustic Emissions)
歪成分耳音響反射という検査で聴力検査がむずかしい小さなお子様などできこえの評価を行うための検査です。耳の穴に器具を挿入し、検査を行います。内耳が原因の難聴の有無を調べるための検査ですが、異常が疑われた場合はより詳しい検査を行うこととなります。
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語音聴力検査
ことばの聞き取りについての検査です。実際の言葉が聞こえているかについて調べます。難聴の原因を調べるために用いたり、補聴器の適合性について調べるために使います。音を伝える部分の問題で難聴がある場合は音を大きくすれば100%の正解率に近づきますが、音を感じる神経の部分の問題である場合、音を大きくしても100%とはならず、かえって正答率が下がる場合もあります。また、補聴器を考えた場合、正答率が低い難聴の場合はあまり効果がない場合もあります。
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ティンパノメトリー
耳に栓のようなものを入れて、鼓膜の振動のしやすさや耳小骨(鼓膜の向こう側にある音を伝えるための骨)の動きやすさをはかる機械です。外耳の気圧を変化させながら計測しますが、外耳の気圧を0にした時に最も鼓膜が動きやすいので、中央値の0を中心とした山型を示しますが、例えば中耳炎がある場合は鼓膜が動きにくくなるため、山が現れなくなります。
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あぶみ骨筋反射
あぶみ骨は鼓膜の向こう側の中耳にある骨で音を伝える働きがあります。あぶみ骨筋はこの骨にくっついている筋肉で大きな音を耳から加えると、内耳が障害を受けないように、このあぶみ骨の筋肉が収縮して、鼓膜の動きを制限します。この反射を利用して、みみに大きな音を入れて、あぶみ骨筋の動きをみる検査で、顔面神経麻痺の時に麻痺の部位や程度を評価するために用います。
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赤外線眼振検査
めまいの検査の一つで、内耳や脳が原因でめまいがある場合、眼振といって、異常な目の動きをしめすことがあります。暗くした中で観察すると、この眼振運動がより強調されるため、本検査で目の動きをみることで、めまいの原因をある程度推測することができます。また、理学療法といって、良性発作性頭位めまい症で、耳石を動かすような治療の効果を見る場合に使うこともあります。
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エコー検査
くびの一部が腫れたり、くびに何かできものができた時にその原因を調べるために行います。腫れた部分にゼリーを塗り、エコーの先端(プローベといいます)を当ててそこから超音波を発することによりその内部の構造を観察することができます。それにより腫れている原因をある程度推測することが可能です。耳鼻咽喉科では主にリンパ節の評価を行うことに用いますが、血管がある場合はその閉塞の有無や血流の状態なども観察できます。
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ウイルス検査
インフルエンザやアデノウイルス、RSウイルスといった各種ウイルス検査や溶連菌の迅速検査が可能です。さらに、当院では高感度迅速検査機を導入しており、発症初期のウイルス量の少ない状態でもインフルエンザの判定が可能です。(写真はPCR検査用の物です)
後日検査結果がでる、外注検査
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採血
採血による検査は検査機関に提出することでほとんどの検査を行う事が可能です。特に耳鼻咽喉科ではアレルギー性鼻炎の原因となる物質を検索するためにアレルギー検査を行う場合が多いと思われます。
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CT,MRI検査
表面的にはわからない病変の広がりや他の臓器との関係をみるための検査です。内視鏡検査などはあくまでも表面的な評価しか行えませんので、さらなる精査を行う場合はこれらの検査が必要です。ただ、当院では行えませんので、他院をご紹介することになります。
細胞診、病理検査
腫瘍性の病変がある場合、必要があれば細胞を針をさしたり、こすったりして調べたり(細胞診検査)、直接病変の組織をとって調べる検査(病理検査)を行います。基本的には悪性であるかどうかを主な検査の目的とします。
細菌検査
中耳炎などの感染性の病気の場合、その原因となる菌を検査するために行います。菌を綿棒などで直接採取して、これを検査に提出します。抗生物質の効果がどの程度あるかについても評価可能です。