耳鼻科コラム

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子どもの鼻血が止まらない!原因・正しい止め方・病院へ行くべきタイミングを耳鼻科医が解説

「突然子どもが鼻血を出した」「何度も繰り返すので心配」 そんな経験のあるパパ・ママは多いのではないでしょうか。

子どもの鼻血は、大人よりもはるかに出やすいもの。突然のことに驚いてしまうのは当然ですが、ほとんどの場合は病気ではなく、正しく対処すれば短時間で止まります。

とはいえ、真っ赤な血がわが子の鼻から出てくると、「何か病気では?」「病院に行くべき?」と不安になるものです。

この記事では、子どもの鼻血が出やすい理由や正しい止め方、絶対にやってはいけないNG行動から病院に行くべきタイミングまで、耳鼻咽喉科の医師がわかりやすく解説します。

目次

なぜ子どもは鼻血が出やすいの?

子どもの鼻血の多くは、鼻の入り口から5mm~1cmほどの場所にある「キーゼルバッハ部位」からの出血です。

この部位は粘膜が薄く、細い血管が網の目のように集まっているため、ちょっとした刺激でも出血しやすい構造になっています。

大人も同じ構造ですが、子どもは粘膜がより薄くデリケートで、免疫力も発達途上のため、次のようなさまざまな原因で鼻血が出やすくなっています。

鼻をほじる・こするなどの物理的な刺激

子どもの鼻血でもっとも多い原因です。鼻炎や風邪で鼻に違和感があると、鼻をかむ代わりにこすったりほじったりしてしまいます。

無意識にやっていることが多く、爪が伸びていると粘膜を傷つけやすくなります。

風邪・アレルギー性鼻炎による粘膜の炎症

風邪やアレルギー性鼻炎で鼻粘膜が炎症を起こすと、粘膜がさらに薄く傷つきやすい状態になります。

「最近何度も鼻血が出る」という場合、アレルギー性鼻炎が隠れていることも少なくありません。

乾燥・気温の変化

空気が乾燥すると鼻粘膜も乾いて傷つきやすくなります。とくに冬や夏の、冷暖房で室内が乾燥しやすい季節は注意が必要です。

また、気温の急激な変化も血管に影響を与え、鼻血が出やすくなる原因となります。

運動・興奮・のぼせ

激しい運動や泣いたり興奮したりした後、夏場ののぼせなどで一時的に血圧が上がると鼻血が出ることがあります。これ自体は心配いらないケースがほとんどです。

子どもの鼻血の正しい止め方

鼻血が出ても、まずは落ち着いて対処することが大切です。

大人が慌てると子どもも不安になり、泣いたり興奮したりすることで血圧が上がって止まりにくくなってしまいます。

まずは「大丈夫だよ」と声をかけ、子どもを安心させてから、以下の手順で対処しましょう。

ステップ1│前かがみの姿勢で、顔をやや下に向ける

上を向くと鼻血が喉に流れ込んでしまいます。必ず顔は下向きに。椅子に座らせるか、立ったまま前かがみにさせましょう。

ステップ2│親指と人差し指で小鼻をしっかりつまむ

鼻の骨より下の、やわらかい部分(小鼻)を両側からしっかりつまみます。これがキーゼルバッハ部位への圧迫になります。片側だけから出血している場合も、両側つまんで大丈夫です。

ステップ3│そのまま10~15分間、指を離さずに押さえ続ける

途中で「止まったかな?」と確認のために指を離してしまうと、せっかく塞がりかけた血管がまた開いてしまいます。時計を見ながら10~15分はしっかり押さえ続けましょう。

ステップ4│血液が喉に回ってきたら吐き出させる

口に血液が溜まったら飲み込まずに吐き出させてください。飲み込むと吐き気や嘔吐を引き起こし、血圧上昇でさらに止まりにくくなることがあります。

ステップ5│なかなか止まらない場合は鼻の付け根を冷やす

冷たいタオルや保冷剤(タオルで包む)を鼻の付け根に当てると、血管が収縮して止まりやすくなります。

絶対にやってはいけないNG行動

子どもの鼻血のときによく見られる行動の中に、医学的に誤っているものがあります。

知らずにやってしまっている方も多いので、必ず確認してください。

上を向かせる・仰向けに寝かせる

鼻血が喉に流れ込み、飲み込むことで吐き気・嘔吐を引き起こします。

仰向けでは血液が気道に流れ込むリスクもあり危険です。必ず前かがみ・下向きで対処してください。

首の後ろをたたく

血が止まるという根拠はまったくありません。安静を保てなくなり、むしろ逆効果です。

ティッシュを鼻に詰める

ティッシュは繊維が粘膜にくっつきやすく、取り除くときに傷つけて再出血の原因になります。

詰め物をする場合はガーゼや化粧用コットンを使いましょう。ワセリンを薄く塗ったものを使うと、取り出す際に粘膜を傷つけにくくなります。

鼻血が止まった後に気をつけること

鼻血が止まっても、しばらくは次のことに気をつけましょう。止まりかけた血管はまだ不安定な状態で、再出血しやすい時間帯が続きます。

  • 1~2時間は鼻をかまない
    鼻をかむ力で血管が再び開いてしまうことがあります
  • 鼻を触らない・ほじらない
    子どもに優しく伝えておきましょう
  • 激しい運動・熱いお風呂を控える
    血圧が上がって再出血しやすくなります
  • 辛いもの・熱いもの・カフェインを避ける
    鼻をかむ力で血管が再び開いてしまうことがあります

子どもの鼻血が繰り返すときの原因

「先週も鼻血が出た」「毎月のように繰り返す」という場合は、背景に何か原因がある可能性があります。

アレルギー性鼻炎・副鼻腔炎

鼻がかゆくて無意識に触ってしまうことで繰り返すケースが多いです。

「鼻血が頻繁に出る子」は、アレルギー性鼻炎が診断されていないことがよくあります。適切な治療で鼻のかゆみが落ち着くと、鼻血も出にくくなります。

キーゼルバッハ部位の血管が弱っている

一度出血すると血管がもろくなり、繰り返しやすくなることがあります。

耳鼻咽喉科で血管を焼く(粘膜焼灼)処置をすることで、繰り返しを根本的に予防できる場合があります。

血液疾患(まれなケース)

鼻血と一緒にあざができやすい、ちょっとした傷でも血が止まりにくいといった症状が伴う場合は、血液疾患の可能性も考えられます。このような場合は必ず受診してください。

遺伝性疾患(オスラー病など)

まれですが、家族にも鼻血が出やすい人がいる場合は「オスラー病」という遺伝性の血管疾患の可能性があります。繰り返す鼻血がある場合は家族歴も合わせて医師に伝えましょう。

病院へ行くべきタイミング

子どもの鼻血のほとんどは、正しい止血で30分以内に止まります。ただし、次のような場合は耳鼻咽喉科を受診してください。

早めに受診すべきサイン
  • 正しく圧迫しても30分以上出血が続く
  • 洗面器いっぱいになるほどの大量出血
  • 顔色が悪い、ぐったりしている
  • 鼻血とともにあざができやすい・血が止まりにくい様子がある
  • 数日以内に何度も繰り返している
  • 鼻の変形がある(ぶつけた後など)
救急車を呼ぶべき状況
  • 頭や顔を強くぶつけた後の鼻血で、さらさらした色の薄い液体が混じっている(頭蓋底骨折の疑い)
  • 意識がない、または呼びかけに反応が鈍い
  • 呼吸が苦しそうで顔色が著しく悪い

これらに当てはまる場合はためらわず119番に連絡してください。

鼻血を繰り返さないための予防法

子どもは鼻の粘膜が薄いため、少しの刺激でも鼻血がでやすくなります。繰り返さないためには、次の対処法が有効です。

鼻をほじらない習慣をつける

子どもには「鼻を触らないようにしようね」と繰り返し伝えましょう。また、爪を短く切っておくだけでも、触ってしまったときの粘膜へのダメージを減らせます。

ワセリンで鼻粘膜を保湿する

市販のワセリンを綿棒に少量取り、鼻の穴の内側1?2センチに塗るだけで粘膜の乾燥を防げます。乾燥が気になる季節や就寝前に習慣にするとよいでしょう。子どもでも安心して使えます。

室内を加湿する

加湿器を使って室内の湿度を50~60%程度に保つことで、鼻粘膜の乾燥を予防できます。加湿器がない場合は、濡れタオルを部屋に干すだけでも一定の効果があります。

鼻の疾患があれば治療する

アレルギー性鼻炎や副鼻腔炎があると、鼻のかゆみや不快感から鼻を触る機会が増え、鼻血が繰り返しやすくなります。

「いつも鼻が気になる様子がある」「よく鼻をこすっている」という場合は、一度耳鼻咽喉科に相談してみましょう。

教えて院長先生!子どもの鼻血のよくある質問とその回答

子どもの鼻血でよくある質問とその回答を院長先生にお答えいただきます。

赤ちゃんが鼻血を出しました。すぐ病院へ行くべきですか?

赤ちゃんはあまり鼻血を出さないので、確認のために病院でみてもらってもよいと思います。ただ、急いで行く必要はないと考えます。

鼻をぶつけた後に鼻血が出ました。骨折していませんか?

ぶつけた部位にもよりますが、レントゲンを撮影しないと骨折の有無はわからないので、確認のためには耳鼻咽喉科で確認してもらう必要があります。

まとめ

子どもの鼻血は、鼻への刺激・乾燥・粘膜の炎症が主な原因で、ほとんどは正しく対処すれば10?15分で止まります。

まとめ
  • 鼻血が出たら上を向かせず、前かがみで小鼻を10?15分押さえる
  • 30分以上止まらない・繰り返す・あざを伴う場合は耳鼻咽喉科へ
  • ワセリン保湿・加湿・アレルギー治療で繰り返しを予防できる

「うちの子は鼻血が出やすい体質だから」と放置せず、気になる場合は耳鼻咽喉科にご相談ください。

福岡市西区姪浜で子どもの鼻血で不安なパパやママは、お気軽にまつばら耳鼻咽喉科へお越しください。

「また鼻血が出た」と繰り返す場合は、アレルギー性鼻炎など鼻の疾患が隠れていることも多いです。

他の鼻の疾患が隠れている可能性もあるので、なるべく早めの受診をおすすめします。

ABOUT ME

【執筆・監修】まつばら耳鼻咽喉科 院長・医学博士 松原 尚子

日本耳鼻咽喉科学会/専門医・指導医、身体障害者福祉法第15条指定医、補聴器認定医

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